「金賞受賞」と書かれた泡盛は多い。だがどのコンテストの、何年の、どの部門で獲ったものかまで公式に整理している蔵は、47のうち2つしかなかった。その2蔵から115件を集めてみると、表記のばらつきがそのまま出てきた。一方、主催者の沖縄国税事務所が公表している泡盛鑑評会の入賞を4年分並べると、見える蔵は一気に増える。
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受賞歴を公式に整理している蔵は2つだけ
本サイトは47の酒造所の公式サイトを一通り確認した(2026年8月)。 そのうち受賞歴を銘柄別・年別に整理して公開していたのは2蔵である。
ただし10月の再点検では、専用の一覧ではなくても会社概要・沿革・商品ページに受賞を書いている蔵がほかに21蔵あると分かった(比嘉酒造・神村酒造・ヘリオス酒造・山川酒造・沖縄県酒造協同組合・請福酒造・忠孝酒造・新里酒造・宮の華・金武酒造・瑞穂酒造・菊之露酒造・髙嶺酒造所・久米島の久米仙・瑞泉酒造・咲元酒造・伊是名酒造所・琉球泡盛古酒の郷・北谷長老酒造工場・神谷酒造所・池原酒造。あわせて168件)。8月の調査はこれを拾えていなかった。これらは各蔵のページに、公式に書かれているとおり載せている。以下の節の数字(115件など)は、銘柄別・年別に整理された2蔵ぶんの集計である。
確認できた115件のうち、部門名まで書かれていたのは61件。残りの蔵がまったく受賞していないという意味ではない。公式サイトに年・部門まで書かれた一覧が無かった、ということである。他サイトに載っている受賞情報は転記しない。
| 酒造所 | 件数 | 対象銘柄 | 公開のしかた |
|---|---|---|---|
| 八重泉酒造(石垣) | 93 | 15銘柄 | 受賞歴の専用ページがあり、銘柄別・年別・部門名つきで整理されている |
| 今帰仁酒造(本島北部) | 22 | 7銘柄 | 各商品ページの「<受賞>」ブロックに逐語で記載 |
合計115件。年が取れたものは2020年から2025年にわたる。
残りの45蔵がまったく受賞していないという意味ではない。 公式サイトに年・部門まで書かれた一覧が無かったということだ。 本サイトは他サイトに載っている受賞情報を転記しないので、確認できないものは載せていない。
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コンテスト名は略称のまま載せている
115件に出てくるコンテストは9種類。公式の表記をそのまま並べるとこうなる。
| 公式の表記 | 件数 |
|---|---|
| TWSC | 47 |
| ISC | 12 |
| IWSC | 12 |
| SFWSC | 7 |
| NYWSC | 4 |
| MSC | 4 |
| BSA | 3 |
| kura Master | 3 |
| 離島フェア | 1 |
| (コンテスト名の記載なし) | 22 |
本サイトはこの略称を勝手に展開しない。 たとえば「MSC」が何の略かは、蔵の公式ページに書かれていない。 もっともらしい正式名称を当てはめることはできるが、それは本サイトの推測であって 蔵が言っていることではない。読者が「MSC」で検索して確かめられるよう、公式の表記のまま残している。
「コンテスト名の記載なし」が22件あるのは、今帰仁酒造の商品ページが 「<受賞>」の下に賞の内容だけを書いている行があるためである。
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部門名は、書かれているときだけ載せる
115件のうち部門名が公式に書かれていたのは61件、 書かれていなかったのが54件だった。
| 部門名 | 件数 |
|---|---|
| 焼酎部門 | 49 |
| 洋酒部門 | 6 |
| 泡盛部門 | 4 |
| プレステージコウジスピリッツ部門 | 1 |
| 本格焼酎・泡盛部門 | 1 |
部門名が無い54件について、本サイトは空欄のままにしている。 そこには2つの理由がある。
- 蔵が書いていない以上、埋めれば本サイトの推測になる
- そもそも部門という区分を持たない審査もある。 空欄は欠損とは限らず、「元々ない」ことがある
この扱いは、実際に失敗したうえで決めたものだ。 当初は「◯◯部門」という文字列を機械的に拾っていたところ、 「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション焼酎部門」という長い名前から 「ピリッツコンペティシ…部門」という存在しない部門名を作ってしまった。 いまは実在を確認した部門名と一致したときだけ採り、一致しなければ空欄にしている。
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賞の呼び方は14通りあった
同じ「金」でも、公式の書き方はコンテストごとに違う。115件から出てきた表記はこうだ。
| 賞の表記 | 件数 |
|---|---|
| 金賞 | 20 |
| 銅賞 | 12 |
| Silver | 12 |
| 銀賞 | 10 |
| 最高金賞 | 7 |
| Gold | 7 |
| SILVER | 5 |
| Bronze | 4 |
| DOUBLE GOLD | 3 |
| BRONZE / TROPHY / Gold Outstanding / 審査員賞 | 各1〜2 |
「Gold」と「金賞」と「GOLD」を1つにまとめれば表は見やすくなる。 だがそれをすると、蔵が書いた表記とは違うものを見せることになる。 本サイトは公式の表記のまま出している。
もう1点。賞の重みはコンテストごとに違う。 あるコンテストの「Gold」と別のコンテストの「金賞」が同じ水準だとは限らないし、 出品数も審査方法も公開されているとは限らない。 横に並べて比べられるものとして扱っていない。
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主催者が公表している泡盛鑑評会なら、31蔵ぶん横断できる
蔵の公式に受賞の一覧が無くても、主催者の側が結果を公表しているコンテストがある。 沖縄国税事務所と沖縄県が共催する泡盛鑑評会だ。国税庁の公表ページには、 入賞した製造場名と銘柄が一覧で載っている。蔵の自己申告ではないので、出品した蔵を同じ物差しで横断できる(令和8年度の出品は39場)。
泡盛鑑評会は、復帰の年(昭和47年)に始まり、今回(令和8年)で54回目となる。 「泡盛」が沖縄県を代表する伝統的な特産品であることに鑑み、沖縄国税事務所と沖縄県の共催により開催している。
出典:国税庁 沖縄国税事務所「令和8年度泡盛鑑評会」(令和8年10月22日公表)
令和5〜8年度(2023〜2026年)の4回分を集めると、 入賞は94件、入賞した蔵は31蔵になった。 本サイトが47蔵の公式サイトで受賞の一覧を確かめられたのは2蔵だけだったから、見える範囲がまったく違う。
| 年度 | 沖縄県知事賞(いずれも古酒の部) |
|---|---|
| 令和8年度(2026年) | 多良川「久遠」・久米島の久米仙「久米島の久米仙ブラック5年古酒40度」・米島酒造「久米島」・松藤(崎山酒造廠)「松藤 7年」・神村酒造「守禮 KAME 51度」 |
| 令和7年度(2025年) | まさひろ酒造「蔵出しまさひろ」・宮里酒造所「春雨」・崎元酒造所「花酒与那国18年」・瑞泉酒造「瑞泉古酒」・比嘉酒造「残波古酒」 |
| 令和6年度(2024年) | 忠孝酒造「古酒 忠孝」・宮里酒造所「春雨」・菊之露酒造「宮古Classic2024」・石川酒造場「玉友 甕仕込古酒」・瑞泉酒造「瑞泉古酒」 |
| 令和5年度(2023年) | 津波古酒造「太平古酒」・宮里酒造所「春雨」・今帰仁酒造「千年の響 かめ壷貯蔵古酒」・神村酒造「暖流3年古酒40度」・北谷長老酒造工場「北谷長老」 |
県知事賞を4回のうち2回以上受けたのは宮里酒造所(3回)・瑞泉酒造(2回)・神村酒造(2回)。 令和8年度の出品は39場・104点で、古酒の部の県知事賞は33場のうち5場だった(国税庁の「出品状況」「入賞場数等」の表)。
2つの見え方を並べると、違いがはっきりする。公式に受賞歴を93件整理している八重泉酒造は、 この4回の鑑評会では1件(令和8年度「黒真珠」沖縄国税事務所長賞)。 逆に、公式に受賞の一覧を持たない蔵が鑑評会では何度も入賞している。 公式サイトに受賞が書かれていないことは、受賞していないことを意味しない。
鑑評会の部は年度で名前が違う(令和5・6年度は「高濃度泡盛の部」、令和7・8年度は「新酒・37度以上(つよい泡盛)の部」)。 本サイトは国税庁の表記のまま載せている。銘柄名も公表どおりで、本サイトの銘柄ページと名前が同じものだけをリンクした。 各蔵のページの「泡盛鑑評会の入賞」に、その蔵の全件を載せている。
国税庁の公表は銘柄名だけで、度数・容量・ロット(瓶詰めの年)までは書かれていない。 「〇〇が県知事賞」と見ても、店頭の同じ名前の瓶が出品酒と同じものとは限らない。
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「受賞」を見るときに確かめたい3つ
ここまでを踏まえると、泡盛の「受賞」表記を見るときに確かめられるのは次の3点になる。
- どのコンテストか — 名前が書かれていなければ、それ以上は追えない
- 何年のものか — 本サイトの115件でも、年が取れたのは93件だけだった
- どの銘柄が獲ったのか — 蔵として受賞したのか、その商品が受賞したのかは別の話
本サイトは、この3つが公式に書かれているものだけを、書かれているとおりに載せている。 公式の受賞歴は八重泉酒造と 今帰仁酒造の蔵ページ(10月の再点検で見つかった蔵はそれぞれの蔵ページ)、 および該当する銘柄ページで見られる。泡盛鑑評会の入賞は、入賞のあった各蔵のページに載せている。
受賞歴が載っていない蔵について、本サイトは「受賞していない」とは書いていない。 公式でも、主催者の公表でも確認できなかったという意味である。 分からないことを分からないと書くのが、このデータベースの方針だ。
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出典
- 八重泉酒造 公式 受賞歴ページ
- 今帰仁酒造 公式通販(商品ページの受賞欄)
- 沖縄県酒造組合 公式(酒造所一覧)
- 国税庁 沖縄国税事務所「令和8年度泡盛鑑評会」
- 国税庁 沖縄国税事務所「令和7年度泡盛鑑評会」
- 国税庁 沖縄国税事務所「令和6年度泡盛鑑評会」
- 国税庁 沖縄国税事務所「令和5年度泡盛鑑評会」
条文・原文は要約せずに引用している。記事の最終更新は2026-10-28(出典ごとの確認日は蔵の公式の受賞歴は2026年8月31日(再点検は10月28日)、泡盛鑑評会は2026年10月28日)。 法令・規約は改正されることがあるため、最新の内容は各出典で確認していただきたい。